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白濁の泉
第2章 なれ初め
当時、私は風俗嬢として働いており、借金返済の為に入店し、店が用意してくれた近くのビジネスホテルで一人で生活をしていました。当然キッチンなどあるわけも無く、全てがコンビニ頼りの生活。
1日1回、たった数分間の潤とレジカウンター越しに向き合うひととき。その僅かな時間が、なんとなく私が自分を取り戻せていると思える様な唯一の時間だった。
お店は朝10時のオープンからラスト深夜1時頃まで。毎日オープンラストでシフト入りし、3ヶ月間ほぼ休みなしで出勤していました。
在籍中に借金を完済し、お店を辞める頃には十分な貯金まで出来ました。
今思えばよくやったなぁ……なんて他人事の様に思えます。
毎日10人以上、忙しい日には13人のお客さんに付いた日もありました。約90日間、窓もない薄暗い閉ざされたプレイルームで1,000人近い男性客と、日に何度もシャワーを浴び、ぺニスを洗い、ベットの上で胸を揉まれ舐めまわされ、体内深く指でえぐられる繰返し。
最後はフェラや素股で精液を浴びせられサヨウナラ……。
ただ、ただひたすら、それだけの『作業』でした。
よく人に「貴方は気丈ですね」と言われている。それは今でも。
当時もお店のスタッフさんやお客さんには決して弱味を見せまいと、どんな事があっても一生懸命に平静さを装っていました。
でも、知らず知らずの間に私のメンタルも磨耗し始めていたのでしょう。
お客さんが放つ性欲の熱気。
風俗業界特有の、底無しの真っ暗な闇から湧き上がってくる毒気。
他の嬢からの妬み。
それらが私の心を知らずに蝕みはじめていたのかも知れません。