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白濁の泉
第3章 米沢の流儀と記憶
都内は夕方の交通渋滞。
出先から直接タクシーを拾い待ち合わせ場所のカフェへと向かっている。
この様子では30分ほど遅れそうだが、何とかドライバーに頑張ってもらった。
ーーー
「おぉ~すまんすまん、待たせたなぁ~」
待ち合わせ時間に遅れてしまったものの、2人はとくに嫌な顔もせず迎えてくれた。
「相変わらず忙しそうだな」
「米沢君、こんばんは」
「千春ちゃんはいつみても堪らなくセクシーだねぇ~」
「そんな事言ってくれるの米沢君ぐらいよ、ありがとう」
この前一緒に酒を飲んでから1週間ほどが過ぎた頃、潤から電話を貰った。
用件は彼の女房である千春のAV出演についての相談だった。
私は、正直『シメタ』と心で呟いた。
私にとっていまや親友の妻である千春は、初めて潤から彼女として紹介された時から心を奪われいた女性だったから。
日本人離れした彫りの深い顔立ち。
自分のスタイルを心得たファッションセンス。
立ち居振舞い。
どこをとっても男をそそらせてくれる女性としていつも意識をしていた。
潤を交えて千春に逢う時も、人知れずチンコの先を濡らし、逢えぬ時には千春の裸体を想い描いてはオナニーを繰返していたのだ。
その想いは恋でもなく、ましてや愛でもない。
ただ、抱いてみたい。
本当にそれだけの感情だった。
しかし叶ぬ思いほど月日を重ねる事に欲は増すばかりだった。大学を卒業し就職してからはAV業界に入り千春への欲求を構成演出と言う形で発散して来た。それに、予てより千春の魅力は世の男達を虜に出来ると確信していた。
これはAV業界で長年培ったヒットメーカーとしての直感である。