この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
月下の幻影
第1章 月下の幻影

女将が呼んでくれたタクシーが到着し、真琴は後部座席に乗り込んだ。

「○○駅まで、お願いします」

「あれっ、お嬢さん。確か昨日も乗ったよねぇ?」

「あっ」

偶然にも、昨日駅からこの旅館まで運転してくれた、あのタクシーの運転手だった。

「夜の海はどうだったかな?」

「あ、はい……。窓から見たんですけど……とても、素敵でした……けど、ちょっぴり怖かったです」

昨日の夜の海での出来事は、話すのはやめておいた。

「そうかいそうかい……。一人で海に行かなかったのなら、大丈夫だ」

「あの……あそこの夜の海は……やっぱり一人では危険なんですか?」

「そうだねぇ。実はね、昔、あの海で水難事故があったんだよ」

タクシーの運転手はとつとつと話し始めた。

今から十年ほど前、男の子が波にさらわれて亡くなった不幸な事故があった。

「それまではねぇ、この街も観光地として有名だったんだけど、その事故のせいで今じゃすっかりさ」

「そう、だったんですか……」

「でもね、この街の人たちは観光地がどうのってよりも、男の子が二人も死んじまったことの方が辛かったんだよ」

「二人?」

あぁ、とタクシーの運転手は頷いた。
/27ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ