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月下の幻影
第1章 月下の幻影
「ありがとうございましたーっ」
ようやく水にありつけた真琴は、店を出るとミネラルウォーターをがぶ飲みした。
「っはぁ〜……!」
水が食道を伝って、体中に染み渡っていく。あぁ、水分最高だ。
無事水分補給を済ませると、そのままコンビニ前でぼーっと突っ立っていた真琴。
コンビニの正面にある道路を挟んで、砂浜と、その奥に広大な海が広がっていた。
「……」
真琴は手にしていたペットボトルをゴミ箱に捨てると、海に向かって歩き出した。
このとき、真琴は何かに引き寄せられるように無心で浜辺へと足を進めていた。
“夜の海には、魔物がいる”
タクシーの運転手が言った言葉が、現実になろうとも知らずに────