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50センチの距離
第16章 クリスマス シュトーレン
「小さい頃お母さんが作ってくれたの。あれ?買ってくれたんだったかな…とにかく、12月1日から24日までの日付が入った小さい箱とか袋の中にチョコとか飴とか個包装のお菓子が入ってて毎日朝起きたら1個ずつ食べて良いの。それで、少しずつ減って行くの見ながらクリスマスまであとちょっと…ってワクワクしてた。きっとそういう楽しみがあると朝勝手に起きてくるからお母さんがその分楽だったんだと思うけど…ウチはお兄ちゃんが私の分も開けちゃったりして朝からわんわん泣いて、お母さんに喧嘩するならもうしません!て怒られた記憶があるけど…」

高塚さんは、アハハと笑って。野田さんお兄さんがいるの、と言った。

「はい。2つ上。その上にお姉ちゃんもいます。私は末っ子。」

「へぇ。」

「高塚さんは?」

「え?俺? ウチは男ばっかり三人兄弟の、俺は真ん中。」

「そうなんですね…」

高塚さんのこと、何にも知らないけど…ひとつだけ情報をゲットした。高塚さんにはお兄さんと弟がいる…

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