この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
50センチの距離
第18章 アッラナポリターナ ー追憶ー
野田さんに聞かれて、思わず昔のことを思い出した。

俺が料理人になろうと思ったきっかけも、ナポリタンだ。
両親の仕事が遅くて、腹が減って。
ウチには男兄弟が3人。
兄貴は少し食に無頓着で。食えればいいっていうタイプ。
弟は美味しいモノはバクバク食べるけど、不味かったらいらねぇ、とワガママなヤツ。
食に無頓着な兄貴が弟の面倒見て何か作ってくれるなんてことはなく、少ない小遣いは漫画に消えて、おやつを買う金なんかなかった。
お菓子の買い置きも少しはあったけど、育ち盛りの男がそんなもんで足りる訳がない。
食えるもんを作り出したのは半ば必然だった。

インスタントラーメンは勿論、ピザトーストから始まって、チャーハン、焼きそば、そしてナポリタン。

上手くできたとき、弟は満面の笑顔になって、おかわり!と叫んだ。普段無表情な兄貴が、お、と驚いたように目を開いて、美味いな、と笑った。その時、ほら見ろ、美味いだろ、と優越感に浸ると同時に、美味いモノには人を笑顔にするチカラがあるんだ、と気づいた。
/507ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ