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50センチの距離
第20章 ロコモコランチBOX
「……食べる時間無さそう?」

「…ちょっと仕事でトラブルが…すぐ会社戻らないといけなさそうで…」

とりあえず焼きあがった目玉焼きの火を止める。

「会社に戻るの?」

「はい、午後から訪問予定の得意先に持っていく資料に不備があったみたいで…先輩がそれを訂正してくれてるので…アポイントの時間もあるし、ちょっと食べてる時間無さそうで…本当すみません!」

「会社で資料をチェックしながら食べられる?ならランチボックスにするから3分待って!」

「…いいんですか?」

「その先輩も飯食べてないなら2人分用意するよ?どうする?」

「ち、ちょっと待ってくださいね!」

通話を切ってなかったらしく、野田さんはもう一度電話に戻る。すぐに顔を振り上げて、

「ランチボックス2つ、お願いします!」

「了解。」

紙のボックスを二個出して組み立てる。
いつもランチボックスをやってるわけじゃないけど、桜の季節になったら公園で食べたりできるように、予約とか受け付けようかな、なんて思ったり。唐揚げのテイクアウトはこのクリスマス時期に頼まれてやったから、ボックスは買ってあった。
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