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50センチの距離
第21章 レモンティー+ミントガム
「はい…」

「怒ってるわけじゃないからそんなに凹むなよ。今日のこれは気を利かして弁当二個買ってきてくれたファインプレーでチャラにしとくから。」

2人でチェックした資料はそんなに長引かず校正できて、やっぱり訂正箇所はひとつだけだったみたい。
だけど、その数字のミスはプレゼンの途中に引っかからずにスルー出来るような感じではなくて…なんせゼロが一個足りてなかったからグラフが不自然な折れ線を描いてたから…そのままプロジェクターに倒影してたら自分で説明しながらアレ?何これ⁉︎って絶対なっただろう。
そんな状況で自然にスルーして上手く自己フォロー出来るような度胸は私にはない。
村上さんから引き継いだばっかりの得意先で、後任の私が早速ヘマをやらかすところだったのを、村上さんだって別の商談に行かなきゃいけないのに最終チェックしてくれてたんだ…老婆心、てヤツかもだけど、それでミスを見つけてもらった身としては感謝しかない。

資料をチェックし終え、商談時の打ち合わせ予定人数分、4部を印刷して、ホチキス留めする。
その時点で午後2時半。後15分もしたら出ないと!
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