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50センチの距離
第27章 帰省土産ーローストビーフ+αー
「え?」

まるで見透かされたような提案に直ぐに返事が出来なかった。

「…だって、今日、朝はお休みでしょ?お客さん来ないし…だったら…中で食べなくても…いい、かなぁ…なんて…」

言いながら野田さんの顔が真っ赤になってる。

「…あ、ありがとう…まぁ、その、なんだ…俺、中に居るの慣れてるから…ココのが落ち着くんだよね…」

俺のバカ。
折角の誘いをなんで断った…

いやでも今出てったら顔が赤くなってるのモロバレだし…落ち着くまではカウンターに隠れていよう…

「あ!そうなん、ですね…すみません…」

「いや!全然。気遣ってくれてありがとう、ごめんね。」

野田さんはそれ以外何も言わず、サンドイッチを平らげると

「ご馳走さまでした。お愛想、いいですか?」

とバッグを探す。

「あ、アレ?」

「あ、上じゃない?ちょっと待ってて。取ってくるから。あ、でもこのモーニングは金取るつもりないよ?俺の朝メシに付き合って貰ってるだけだから。」

「でも…」

「イイから。バッグ取ってくる。」

俺はドアを開け、上に昇った。
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