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50センチの距離
第28章 お節とピザ
起きたら夕方で。オカンがまた買い物に行くのに兄貴が車出すけどお前はどうする、一緒に来るか、と言われて、別に有りもんでいいのに、と言ったら
「晩は軽くするけどお節作ろうかと思って。隆たちも来るみたいだし、せっかくローストビーフ持ってきてくれたんだから。」
「ふーん。ま、材料はオカンに任せるわ。俺はウチに居る。作るのは手伝うよ。」
「あら、ありがとう。」
笑ってオカンと兄貴は出掛けた。
お節なんて作ったことないな…と思いながらお節に何が入ってるのか、と携帯で検索しながら待った。
晩メシを軽く食ってから、お節作りが始まる。
オカンは黒豆を水に浸してストーブの上にかけ、煮しめの野菜を切り出した。
今日はとりあえず時間のかかるもんだけ仕込んで本番は明日。
日持ちする田作りと菊花カブは俺が作った。
小かぶの皮を剥いて上下に菜箸を置き下まで切ってしまわないように切込みを細かく入れる。アクセントに鷹の爪の輪切りを中央に飾り、甘酢に味見しながら塩を加える。昆布と柚子皮も入れた。
カブに切込みを入れる俺の手元を見ながら、オカンが
「流石上手いもんね」
と呟いた。
「こんなことしたことないけどな。プロなめんなよ。」
「それは失礼。」
「甘酢の味、こんなモンでOK?」
ふふふ、と笑うオカンに甘酢を掬ったスプーンを渡す。
オカンが手を出してきたから掌に甘酢を垂らすとそのまま味見をして、指でOKマークを出してくる。
こんな風にオカンと並んでキッチンに立つとは思わなかった。
「晩は軽くするけどお節作ろうかと思って。隆たちも来るみたいだし、せっかくローストビーフ持ってきてくれたんだから。」
「ふーん。ま、材料はオカンに任せるわ。俺はウチに居る。作るのは手伝うよ。」
「あら、ありがとう。」
笑ってオカンと兄貴は出掛けた。
お節なんて作ったことないな…と思いながらお節に何が入ってるのか、と携帯で検索しながら待った。
晩メシを軽く食ってから、お節作りが始まる。
オカンは黒豆を水に浸してストーブの上にかけ、煮しめの野菜を切り出した。
今日はとりあえず時間のかかるもんだけ仕込んで本番は明日。
日持ちする田作りと菊花カブは俺が作った。
小かぶの皮を剥いて上下に菜箸を置き下まで切ってしまわないように切込みを細かく入れる。アクセントに鷹の爪の輪切りを中央に飾り、甘酢に味見しながら塩を加える。昆布と柚子皮も入れた。
カブに切込みを入れる俺の手元を見ながら、オカンが
「流石上手いもんね」
と呟いた。
「こんなことしたことないけどな。プロなめんなよ。」
「それは失礼。」
「甘酢の味、こんなモンでOK?」
ふふふ、と笑うオカンに甘酢を掬ったスプーンを渡す。
オカンが手を出してきたから掌に甘酢を垂らすとそのまま味見をして、指でOKマークを出してくる。
こんな風にオカンと並んでキッチンに立つとは思わなかった。