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50センチの距離
第28章 お節とピザ
ピザの2枚目をオーブンに入れたところで、隆からもうすぐ着くから車入れられるようにしといてーという電話が入る。
兄貴が車を寄せてスペースを作り、帰ってきた直後に子供達が走って飛び込んできた。

後から大荷物の嫁さん、最後が隆。

「うわ、なんかいい匂いがする。」

「ピザだー」

「やったー!」

大はしゃぎのガキどもに、荷物置いて手洗って来い!と一括して客間に追いやる。

「ショウお兄さん、お久しぶりです。」

「あ、クミちゃん。久しぶり。親父の葬式以来かな。」

「ですね。ショウお兄さんお忙しいから…」

「ま、客商売だからねぇ。」

「でも今年はお休み取れたんですか?確か、喫茶店でしたよね…」

「んー。場所がオフィス街だから周辺の会社が休みの時は暇なのよ。だから日曜休みだしね。土曜も夜だけ半日。」

「夜?」

「ん、モーニングとランチだけやって、あとは夕方からバー。っつっても料理メインの一杯飲み屋みたいな感じだけどね。」

「へぇぇ…いいですよね、お料理ができる男性って。憧れる…隆くんちっともしないくせに口だけ肥えてて文句ばっかり言うから…」

「…アイツは昔からそうだよ。不味いもんは要らねぇって容赦ないから。」
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