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50センチの距離
第32章 カニすき
「で…何で綾部に居るのか聞いてもいいかな。」
出してくれた栗きんとんと黒豆まできっちり頂いて、お茶もお代わりまでしてひと息ついた私に、高塚さんが切り出した。
「…帰省、する予定はなかったんです…今年は家族が旅行に行ってて…」
「野田さんはメンバーに入ってないの?」
「…忙しくて休みの予定とか連絡するの忘れてて。気付いた時にはもう飛行機もホテルも私抜きで取られちゃってて、自分で取るにも間に合わなくて、結局大阪に居て…」
「なんだ、そういうこと。綾部は1人で?知り合いでも居るの?」
「………」
「まぁ別に言いたくないならそこは別にいいけど…」
高塚さんに逢えたらいいなって思って来たんです、って…言おうと思った時。
「兄貴の知り合いだったんだって?」
弟さんが入って来た!
「ごめんなさい、下の子が本当何するか見当がつかなくて…」
奥さんがタイツの袋を渡しながら謝ってくれる。
出してくれた栗きんとんと黒豆まできっちり頂いて、お茶もお代わりまでしてひと息ついた私に、高塚さんが切り出した。
「…帰省、する予定はなかったんです…今年は家族が旅行に行ってて…」
「野田さんはメンバーに入ってないの?」
「…忙しくて休みの予定とか連絡するの忘れてて。気付いた時にはもう飛行機もホテルも私抜きで取られちゃってて、自分で取るにも間に合わなくて、結局大阪に居て…」
「なんだ、そういうこと。綾部は1人で?知り合いでも居るの?」
「………」
「まぁ別に言いたくないならそこは別にいいけど…」
高塚さんに逢えたらいいなって思って来たんです、って…言おうと思った時。
「兄貴の知り合いだったんだって?」
弟さんが入って来た!
「ごめんなさい、下の子が本当何するか見当がつかなくて…」
奥さんがタイツの袋を渡しながら謝ってくれる。