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50センチの距離
第32章 カニすき
結局、和室に座卓を2つ並べて、カセットコンロが2つに、大きな土鍋とホーローのお鍋。お野菜と沢山のカニ。胴と鋏は出汁としてお鍋に入れられ、キレイに剥かれた脚だけが整然とバットに並べられてる。
白菜、お豆腐、椎茸、葛切り…
お鍋って本当美味しい…
ひとつだけ言うことがあるとすれば、何で私は高塚さんのご実家でご家族に混じってカニすきをつついてるんだろう、ということ。
高塚さんのお母さん、お兄さん、高塚さんと私、の4人。もうひと組が弟さん家族。
お兄さんは家族の団欒に見ず知らずの女が1人混ざってることに明らかに困惑してる感じだし、高塚さんも気まずそう。
お母さんだけがニコニコと気を遣って話しかけてくれる。
「野田さんは彰のお店のお客様なんですってね?」
「あ、は、ハイ…」
「今日は本当にごめんなさいね、せっかくのご旅行を台無しにしてしまって…」
「い、いえ…」
白菜、お豆腐、椎茸、葛切り…
お鍋って本当美味しい…
ひとつだけ言うことがあるとすれば、何で私は高塚さんのご実家でご家族に混じってカニすきをつついてるんだろう、ということ。
高塚さんのお母さん、お兄さん、高塚さんと私、の4人。もうひと組が弟さん家族。
お兄さんは家族の団欒に見ず知らずの女が1人混ざってることに明らかに困惑してる感じだし、高塚さんも気まずそう。
お母さんだけがニコニコと気を遣って話しかけてくれる。
「野田さんは彰のお店のお客様なんですってね?」
「あ、は、ハイ…」
「今日は本当にごめんなさいね、せっかくのご旅行を台無しにしてしまって…」
「い、いえ…」