この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
50センチの距離
第32章 カニすき
「タクシー、使えば帰れなくはないんで…」
「ダメよ、そんな夜遅くに、女の子1人で…危ないでしょ?彰、お家まで送ってあげなさい!」
「え?」
高塚さんがギョッとした顔をする。
「それかウチに泊まって貰えば?」
「何処に!部屋も布団も余ってないだろ!」
「…そうねぇ…彰の知り合いだからって彰の部屋ってワケにも行かないわよねぇ…」
「当たり前だよ!」
「彰、お兄ちゃんと一緒に…」
「絶対嫌だ‼︎」
お兄さんが被せ気味に噛み付く。
「いい歳こいてなんで大人の男2人で寝なきゃいけないんだよ⁉︎」
高塚さんもぶるぶるとかぶりを振った。
「あ、あの、ウチ、お布団2組でも、なんとか行けるんで…ひと組お母さんの部屋に敷いて貰えば……」
弟さんの奥さんがおずおずと切り出した。
「そう?じゃ、そうしましょうか?」
「いえ、でも…」
「彰は大阪に帰っても部屋があるんだから、送って行くのでもどっちでもいいのよ?」
「いえ、それも…」
…私…何で綾部に来ちゃったんだろう…
数時間前の自分を殴りたくなった…
「ダメよ、そんな夜遅くに、女の子1人で…危ないでしょ?彰、お家まで送ってあげなさい!」
「え?」
高塚さんがギョッとした顔をする。
「それかウチに泊まって貰えば?」
「何処に!部屋も布団も余ってないだろ!」
「…そうねぇ…彰の知り合いだからって彰の部屋ってワケにも行かないわよねぇ…」
「当たり前だよ!」
「彰、お兄ちゃんと一緒に…」
「絶対嫌だ‼︎」
お兄さんが被せ気味に噛み付く。
「いい歳こいてなんで大人の男2人で寝なきゃいけないんだよ⁉︎」
高塚さんもぶるぶるとかぶりを振った。
「あ、あの、ウチ、お布団2組でも、なんとか行けるんで…ひと組お母さんの部屋に敷いて貰えば……」
弟さんの奥さんがおずおずと切り出した。
「そう?じゃ、そうしましょうか?」
「いえ、でも…」
「彰は大阪に帰っても部屋があるんだから、送って行くのでもどっちでもいいのよ?」
「いえ、それも…」
…私…何で綾部に来ちゃったんだろう…
数時間前の自分を殴りたくなった…