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50センチの距離
第33章 コンビニ カフェラテ
「高塚さん…ご両親の仕事が忙しかったから、おやつ代わりに色々作るようになって、それがきっかけで料理人になった、って言ってました…」

「そう…男のコって大きくなるとどうしても無口になって…あの子が進路を決めたあたりは、もうあんまり色々話してくれなかったから…ただ、本場の料理を食べてみたいって、イタリアに行くんだって言い出して、高校の途中からアルバイトに精出して、1年くらいフリーターしたかしら…そのまま世界放浪の旅に出るとか言い出したらどうしようかと思ったけど、イタリアから帰ったらイタリアンのシェフになる!って家出てって。でも大阪とか神戸だったから、よかったわってお父さんと話してたの。あの子はあんまり連絡くれなかったけど、仲良かったコウスケ君がアルバイトで一緒だったとかで、あのコがマメにお母さんに連絡取るコだったから、私もコウスケ君のお母さん伝いにあの子が元気だって知れて安心してたの。」

「そうだったんですね…」

「野田さんは…彰のお店のお客様なんでしょ?彰のお店ってどんな感じ?私、見に行こうかな、って言ったら恥ずかしいから来るなって言われちゃって…」
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