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50センチの距離
第33章 コンビニ カフェラテ
「直接聞かなかったんですか?」

「まぁ、お父さんもお兄ちゃんも料理する人じゃないし…隆はまだ小学生だったし…自分でラーメン作って食べるくらいは出来ただろうけど、みんなの分作るとかはちょっと無理だろうし…消去法的に作るとしたら彰だろうなぁとは思ったけどね…帰って来た時に聞いた気もするけど、あぁとかうんとか、なんかそっけない返事が返ってきただけで…部屋に入ってく後ろ姿に、美味しかった!って声かけるのが精一杯だったのよね…それから、偶にカレーとか、残ってる時もあったけど、私の分がないことが多かった。たぶん子供たちが食べる量が増えて私の分まで残らなかったんでしょうね。でもお弁当のカラ容器でゴミ箱がいっぱいになるってこともなくて、きっとマメに作ってくれてたんだろうと思う。」

「…高塚さんは恥ずかしいって言うかもしれないけど、絶対いつか来て下さい!あんなに素敵なお店、お母さんが見たことないなんて勿体ないです!私なんかが言うのもヘンですけど、来て欲しいです!」

「ありがとう。じゃ、今度、こっそり行ってみるわ。」

「わざわざ来られたら、きっと帰らせることはないと思います。高塚さんは、そこまで冷たいひとじゃないと思う…ので…」

高塚さんの何を知ってるんだ、って言われたらそれまでだけど…何となく、そこは力を込めてしまった。
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