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50センチの距離
第33章 コンビニ カフェラテ
「あと、里見さんも彼女だと思いました。」

「あ、最初の1日だけだろ。翌日にケーキ持ってきた時に野田さん居たじゃない。」

「…だけど、あの日、高塚さんに抱きついて泣く里見さん見て、高塚さんも部屋に上げたりして…彼女以外にはそんなことしないだろうって思って…ショックで…帰る途中偶々バッタリ会った藤本くんに、憧れならオレが終わらせてあげるって言われて、付き合いだして…」

「そうなの⁉︎ アレは…まだお客さん居るのに店で泣かせとくワケにいかないし…あの店…てか建物自体がコウスケの叔父さんが所有者で、借りたのもコウスケのツテでさ…内装とか、店作る段階でコウスケや里見にも手伝って貰ってるんだよ…だから…俺があそこに住んでるのも知ってるし、上に上がるのも初めてじゃないからね…俺は…ケーキの試食を手伝って欲しいって野田さんにお願いした時、彼氏連れて来るって言われてかなりショックだったよ…その前に先輩だかと昼食いに来た時も男が払っていったから、ただの同僚なら割り勘だろうって思ったら俺なんかよりよっぽどお似合いだなって落ち込んで…」

「村上さん⁉︎ 村上さんは後輩にはいつも奢ってくれるんです。私だからじゃないです。それに彼女と夜食べに行ったって言ってたし…」

「うん。夜別の女の子連れてきて、二股かけてんだと思ってイライラして…嫌がらせしたくなった。」

「高塚さんが⁉︎」

「…流石にしなかったけどね。女の子が割と度数の高いカクテル…野田さんが年末に潰れたヤツ、頼んだから、酔い潰そうとしてんのかと思ってウォッカ少なめにしたくらい。俺は、野田さんが思ってるほどオトナじゃない…些細なことで一喜一憂するし…しょうもないオトコだよ…」

はぁ、と深いため息をついて目を逸らす高塚さんがなんだか可愛くて、ふふ、と、笑ってもっとピッタリひっついてみた。
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