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第34章 ジンベエラテ ー海遊館デートー

「…私…子供っぽいですよ、ね…」

海遊館に行ってみたいなんて言った自分が子供じみて思えた。あの大人な雰囲気の元カノとは、こんなデートじゃなかっただろうな…急にしょんぼりと俯いた私を高塚さんがぎゅっと抱き寄せてくれる。

「千束に大人っぽさは求めてない。涼子と比べてそう言ってるなら…涼子は俺より年上で、俺がガキだったから、オトナな雰囲気に憧れただけ。俺は、そのままの千束を可愛いと思って好きになったし、今もすごく可愛いと思ってる。」

ニッコリと笑う高塚さんがカッコよすぎて、思わず目を逸らした私の耳元で、追い討ちをかけるように囁いた。

「…俺がどれだけ千束を可愛いと思っててどれだけ好きかの証明は…ちょっとここじゃムリだなぁ…2人っきりになってから、じっくり教えてやる」

2人っきり、じっくり、なんて、思わずあの夢を思い出してしまって、更に顔が熱くなった。

「ほら、ペンギン出てきたよ」

5羽の結構大きなペンギンがひょこひょこと歩いてくる。

「可愛い…！」

「思ったよりデカイな…近くで見ると意外と迫力ある…」

「オウサマペンギン…ってコウテイペンギンと違うのかな…」

「さぁ…」

高塚さんが携帯で何かを検索する。
出てきたページを見せてくれた。

【オウサマペンギン】　
英名：King penguin
学名：Aptenodytes patagonicus
ペンギン科。世界にいる 18 種のペンギンの中で、エンペラーペンギンに次いで 2 番目に大きく、体長約 90 ㎝になる。
南極大陸周辺の島々に生息。海岸近くのゆるやかな斜面に繁殖地を持ち、メスは 1 回の産卵で 1 個の卵を産む。
巣は作らず、足の上に卵を置き、腹部の皮をすっぽりかぶせて抱卵する。
小魚、オキアミ、イカなどを食べる。