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50センチの距離
第5章 シャンディガフ(甘口)
野田さんのいつもの感じで行くなら間違いなく甘口。それもジンジャーエール多めで軽い仕上がりにした方がいいだろうと思ったのに、辛口でお願いします!とメニューを置いたから思わず大丈夫?と聞いてしまう。

いつもは辛口は、1:1か、気持ちビール多めで作るんだけど、スタウトは少しクセがあるから、ジンジャーエールを多めにしてみる。

それを一口飲んだ野田さんは目を白黒させて、うぇ…と呟いた。

やっぱり…

俺は最初にコッチだろう、と踏んで出してあったピルスナーとドライジンジャーで、甘口を作って出す。

「コッチも呑んでみて。気に入った方呑んでくれていいよ。味見って事で代金は一杯分でいいから。」

甘口を一口飲んだ野田さんの顔がパッと明るくなる。すぐ顔に出るのがわかりやすくてカワイイ。見てて飽きない。

「美味しい!」

「野田さんは普段から甘めのよく呑んでるから、コッチのが合うでしょう。」

俺は野田さんから辛口のグラスを取り上げる。

「コレはオレが呑むわ。」

一口しか減ってないシャンディガフを一気に呷る。

おぉ。ジンジャーエール多めにしたらパンチよりも辛味が先行する。コレはコレで俺は嫌いじゃない。
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