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50センチの距離
第35章 ロゼワイン スパークリング
「ごめん、困らせるつもりはなかったんだ。俺だって初デートからガッつくつもりもなかったし…だけど、営業してなくて、他の客がいない店なんて本当プライベートスペースだからさ…そこに呼ぶってのは家に上げるのと同じなんだよ。ナポリタンならいつでもするよ。千束の仕事始めの日のランチをナポリタンにするのでどう?」

俯いて考え込んだ私に、高塚さんが提案してくれる。私だって初めてってわけじゃないし…ただ、今までの経験上、エッチってあんまり気持ちいいと思ったことがなくて、相手を興醒めさせてしまうこともあって…それが引っかかる、といえば引っかかる…でもそんなコト高塚さんが知ってる訳もない。

「私…あんまりエッチに積極的になれなくて…」

「お?おぉ…そう、なの?」

コクリと頷いた。

「じゃあ、尚更今の誘い方は急だったかもしれないな。どっかで飯食って帰…」
「高塚さんと!一緒に居たいです!」

高塚さんが私をぎゅっと抱き寄せる。

「…反則だよ、千束…かわいすぎ。」

高塚さんがぐっと屈むように私の顔を覗き込んで、軽いキスをした。
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