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50センチの距離
第36章 第一部 終章  クロワッサンサンド ーアフォガートを添えてー
ティッシュで、もぞもぞと拭いてくれるけど、イッて間もないからアン、って声が出ちゃう…

拭き終えた後、私をそっと抱きしめて。

「気持ちよかった。ありがとう」

「私も…」

「千束、積極的になれないって言ってたけど…結構動いたりとか…そんな消極的ではなかったと思う…けどな…」

「なんでだろう…こんな気持ちいいと思ったの、初めて…」

「相性とか…ま、理由はどうでもいいや…俺とのセックスが気持ちよかったなら、それで充分」

お互い、汗かいて身体が湿ってるから、快適ではないんだけど…なんだろう。嫌じゃない…

高塚さんは私をそっと抱きしめてくれた。

「千束…ずっと前からかわいいって思ってた。気付いたら好きになってて…でも付き合うなんて無理だと思ってた…いつもカウンター越しなのがもどかしくて…だけどそれを超える勇気が俺にはなかった…千束が、飛び越えてくれた…ありがとう…」

「えへへ…私も…嬉しい…」

そのまま、2人で、ベッドに横たわる。
さっきまでは重なるような体勢だったけど、2人横に並ぶとシングルベッドは流石に狭い。

でも、2人寄り添うように、脚を絡ませて眠るのはなんだか幸せで。私は幸せな気分のまま、眠りに落ちた………
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