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50センチの距離
第36章 第一部 終章  クロワッサンサンド ーアフォガートを添えてー
朝、目覚めると、隣に高塚さんの姿はなくて。
私はベッドにぺたりと座り、ぼんやりと昨夜のことを思い出した。

…思い返しただけで、顔が熱くなる。
めっちゃくちゃ恥ずかしいんですけど!

とりあえず、服を着よう…とベッドの下を見ると、脱ぎ散らかしたはずの洋服がない。
キョロキョロと部屋を見回すと、高塚さんの洋服が掛かった剥き出しのパイプハンガーに、私のカーディガンとカットソー、デニムスカートが掛けられていた。

下着とインナー、レギンスは…脇にあったスツールの上にぽさりと積まれている。

コレ…
床に脱ぎ散らかしっぱなしなのは気がひけるから洋服はとりあえずハンガーにかけたけど…下着を畳むことまではしない方がいいかな、でもだからって放置もな…て悩んだ挙句、とりあえずイスの上に置いてみました。って感じがものすごい伝わってくる…ホント、高塚さんらしい。
確かに、一度着てたインナーがきっちり畳まれてイスに置かれてたら、どんな顔して畳んだんだろう、って想像しちゃうけど…コレはコレで服の山の前で腕組みして考える高塚さんを想像しちゃう。
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