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50センチの距離
第36章 第一部 終章  クロワッサンサンド ーアフォガートを添えてー
「あれ?チカ?」

「あ! 高塚さん! その、おはよう、ゴザイマス…」

「………」

自分のシャツを着た私を見て、目をパチパチさせて、額に手を当てる。

手に持ったトレイをベッドサイドの折り畳みテーブルに置いた。

トレイの上には、美味しそうなクロワッサンサンドとコーヒー!

「朝ごはん作ってくれたの?」

「なんちゅーエロいカッコしてるんだ…」

私の言葉を無視するように呟く。

「えー。この部屋暖かいし、服どこまで着ようかな…と思ったらこのシャツ見つけたから。」

と洗濯物カゴを指差す。

「それに昨夜見たでしょ、全部。」

「見たけど!それとこれとは違うって言うか…そのビミョーな露出が絶妙って言うか…とにかく目のやり場に困るの!」

高塚さんは私のレギンスを取って、

「コレ履いとけ!あとこれ!」

と押し付けてきた。

レギンスを受け取りながらもう一つ押し付けられたコンビニの袋を見てみる。中には茶色い紙袋と、1泊用のスキンケアセットが入ってる。高塚さんはコンビニで化粧品買ったのまでは知らないもんね…

「化粧品、買ってきてくれたんだ…さっすが高塚さん!気配りの人だねぇ…」

とガサガサと音を立てて紙袋を開ける。生理用品買った時に入れてくれる袋…と思ったら、中身はショーツ…
コレどんな顔して買ったの高塚さん…!!
気配りが過ぎる…いや今履いてるの気持ち悪いから嬉しいけど…

高塚さんが後ろを向いて見ないようにしてくれてる…私も一応後ろを向いて、背中合わせの状態でガサガサと袋から出してサッとショーツを履き替え、レギンスも履いた。
はー。綺麗な下着、気持ちいい…
脱いだ汚れたショーツを紙袋に入れて、着替えたよ、と声をかけると、高塚さんが振り向いた。
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