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第37章 フレンチトースト & クロックムッシュ
仕事終わり、ジムに直行してお風呂を済まし、下着も換えてスーツから私服に着替える。靴とコートはスーツの時と同じトレンチコートとローヒールパンプスだから、あんまり甘いコーデはできないけど、スーツよりはラク。歩いてオンブラージュに向かった。

「こんばんは〜」

「いらっしゃい。」

いつもと同じようにドアを開けて空いた席に座る。前と違うのは、満席の時は高塚さんからラインのメッセージで『今 満席』とか連絡が来る、ことになってる。そんな時はコンビニで時間を潰そうと思ってるけど、1回お風呂はいってるあいだにそのメッセージが入ってて、湯冷めするかなーと思いながら店に向かったら、出てくるお客さんが見えて、スライドで入ったことがあったくらい。

座ってメニューを広げてオーダーする。
それも前と変わらない。
違うのは、お金を払わなくなったことくらい。おんなじように食べてるんだから払う、と言ったら「彼女から金取るとかどんだけケチだよ」と文句を言われ、なるべく高いメニューを注文しないようにしたら「そこ気遣うトコじゃないから。チカの楽しみな顔と美味しい顔が好きだって言ったろ?そもそもウチはそんな高いメニュー置いてない。なんでも好きなもんオーダーして。」とまた怒られた。
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