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50センチの距離
第38章 ホタルイカのペペロンチーノ
食べ終えた皿をカウンターから引きながら、さ、そろそろお客さんが来る頃だ、と言うと、チカも心得て、荷物を持ってカウンターの内側に来る。大きな荷物を抱えて階段を昇ったチカの後ろ姿に、あ、プリンあるんだった、と思い出し、冷蔵庫からプリンを出し、後から階段を昇った。

部屋に入るとチカはバッグからPCを出したところで。

「どしたの?」

「いや、プリン、食べるだろ?」

「食べる!」

「冷蔵庫に入れとくから、いい時に食べな」

部屋のミニ冷蔵庫にラップをかけたままのプリンのカップを入れ、下に戻ると、2人客が座ってた。

ホタルイカのメニューは好評で、夜は9時過ぎには里見とコウスケも店に来て、2人でパスタとブルスケッタを食って帰った。

今日もそこそこの客足で、チカの様子を見に上がる暇もなく、閉店時間を迎えて店を閉めた。
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