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50センチの距離
第40章 birthday cake
イベントの前に、チカの誕生日が5月4日だと聞いたから、里見にケーキのオーダーをした。
俺は食べないから1人で食べきれるくらいの大きさで、と言ってあった。
当日の朝、待ち合わせの前にケーキを受け取りに行く。一旦持ち帰って冷蔵庫に入れておき、デートの後帰って食べて貰う…という段取りにしていた。
既に箱に入ったケーキをショーケースの上に置きながら、
「1500円です。」
と言われて、思わず耳を疑う。
「…一人前のケーキ1500円てボッタクリかよ…」
高くても数百円じゃないのか?
「…文句はこの繊細な仕事を見てから言ってくれるかしら?」
里見は眉尻を吊り上げ、目を細めた。
箱を開けて見せられる。
中には小振りではあるが、一人前には少し大きいかな?と思うくらいのケーキ。
艶のあるチョコレートでコーティングされた、直径10センチくらいの丸型の丁度半分だけ、境界線を引くように金粉が振ってある。
周囲にはホワイトチョコレートで蔦のような複雑な模様が書かれていて、小さなバラと小鳥の形の砂糖菓子も飾られている。
同じような複雑な模様で縁取られたホワイトチョコのプレートには、筆記体で、Happy birthday chika の文字。
千束、を、チカ、と呼んでるのも、店に来た時に1回呼んじゃったからバレてる。
俺は食べないから1人で食べきれるくらいの大きさで、と言ってあった。
当日の朝、待ち合わせの前にケーキを受け取りに行く。一旦持ち帰って冷蔵庫に入れておき、デートの後帰って食べて貰う…という段取りにしていた。
既に箱に入ったケーキをショーケースの上に置きながら、
「1500円です。」
と言われて、思わず耳を疑う。
「…一人前のケーキ1500円てボッタクリかよ…」
高くても数百円じゃないのか?
「…文句はこの繊細な仕事を見てから言ってくれるかしら?」
里見は眉尻を吊り上げ、目を細めた。
箱を開けて見せられる。
中には小振りではあるが、一人前には少し大きいかな?と思うくらいのケーキ。
艶のあるチョコレートでコーティングされた、直径10センチくらいの丸型の丁度半分だけ、境界線を引くように金粉が振ってある。
周囲にはホワイトチョコレートで蔦のような複雑な模様が書かれていて、小さなバラと小鳥の形の砂糖菓子も飾られている。
同じような複雑な模様で縁取られたホワイトチョコのプレートには、筆記体で、Happy birthday chika の文字。
千束、を、チカ、と呼んでるのも、店に来た時に1回呼んじゃったからバレてる。