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50センチの距離
第9章 ペスカトーレ
「確かに美味かった。彼女も気に入ったみたいだし、また行くかも。」

「毎度ご贔屓に〜」

「なに、店員みたいなこと言ってんの」

村上さんと2人で笑いあって、廊下で別れた。
そのまま高塚さんのお店に向かう。

「こんばんは。」

「野田さん。いらっしゃい。」

「お腹空いたから先にパスタ食べたいなぁ。」

「今日のパスタはペスカトーレだけど、どうする?」

「じゃ、それでお願いします!」

少し待ってるといい匂いと共にペスカトーレのお皿が出てくる。

「美味しそう!いただきます!」

パスタをフォークで巻き取って食べる。
程よいトマトの酸味と濃厚な魚介の風味が合う!

「おいひぃ〜!」

この感動をどう表現したら高塚さんに伝わるんだろう!て思う。
身振り手振りを我慢しようとしても抑えきれない。

高塚さんは面白そうに優しい笑みを浮かべて私を見てる。

…きっと、親戚とか近所の小さいコを見るような、慈しむような笑顔なのかな、と思ってしまう。

高塚さんは、恋人にはどんな貌を見せるんだろう…

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