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50センチの距離
第46章 ラテアート
「や…もぅ、ショウさんたら…昼間から…」

「キスくらいいいだろ」

「仕方がやらしいのよ…お昼間は軽めにしてくれないと…私もこの後仕事あるし…」

「ナニ?我慢出来ないくらい濡れてんの?」

「エッチ…」

ニヤリと口角を吊り上げた俺に、チカはぷいと顔を背けた。

「ごめんごめん、悪かったよ。今日はまだ時間ある?あるならコーヒー淹れる」

チカは時計を見て、

「あ、コーヒー飲む時間くらいは大丈夫。」

「なら、ココで見てな。」

カップを2つ並べてエスプレッソを注ぎ、いつもは後から直入れのフォームドミルクをピッチャーに注ぐ。カップを傾け、ゆっくり揺らしながら2つともにハートを描く。

「わ!ラテアート?ショウさんこんなのも出来るんだ!」

「いつもはやらないよ。チカにだから、だ。」

2つのカップをくっつけると、ハートが寄り添ってるように見える。

「チカ。もう一回、言う。俺と、一生一緒にいてくれるか?」

「勿論。何度聞かれても、イエス以外の答えなんかないよ。」

チカははにかんだように笑って、カップを持ち、ひと口啜る。
やっぱり口元にフォームドミルクの髭がつく。
それを、啄むような軽いキスで舐めとり、

「昼間はこのくらいにしとくよ」

と笑った。
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