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50センチの距離
第48章 紫蘇ジェノベーゼ
ある日曜日の午後。
俺はチカの部屋にいた。
チカの実家から、いいオリーブオイルが届くから取りに来て!というありがたい話だ。
チカの実家は小豆島にあるらしく、小豆島といえばオリーブが有名で。
国産のオリーブオイルなんて高くてとても店じゃ使えないけど、貰えるならぜひ食べてみたいものではある。チカのウチで、買ってきたシュークリームを食べるチカの横でコーヒーを飲む。ピンポーン、という軽いインターホンの音に、チカが立ち上がり、鍵を開けに行く。
マンションのエントランスから、エレベーターを使って部屋の前まではちょっと時間がかかる。チカはついでにトイレに行ったらしかった。
少しして、部屋のインターホンが鳴る。
すぐにガチャ、と扉が開く音がして、また閉まる音。
チカが箱を抱えて戻ってきた。
「持とうか?」
「大丈夫、そんな重くはない。」
箱を床に置き、カッターでガムテープを切る。
箱を開けると、瓶入りのオリーブオイルが3本、ジャムみたいな広口の瓶に入った、オリーブオイル漬けのオリーブ。ブラックとグリーンひとつずつ。そうめんとジップ付き袋に入った、大葉…
「…うわ…」
「何?」
「…そうめんとオリーブオイル送るけどなんかほかに欲しいものあるかって言うから…大葉欲しいなって言ったけど…こんなに要らない…」
「確かにな…」
「大葉ってさ、薬味には絶対欲しいんだけど、2、3枚でいいの。でも売ってるのって10枚単位じゃない。で、大半ダメにしちゃうんだよね…捨てる率考えたら割高なのよね。だから欲しいって言ったんだけど…薬味の量超えてるでしょ…」
俺はチカの部屋にいた。
チカの実家から、いいオリーブオイルが届くから取りに来て!というありがたい話だ。
チカの実家は小豆島にあるらしく、小豆島といえばオリーブが有名で。
国産のオリーブオイルなんて高くてとても店じゃ使えないけど、貰えるならぜひ食べてみたいものではある。チカのウチで、買ってきたシュークリームを食べるチカの横でコーヒーを飲む。ピンポーン、という軽いインターホンの音に、チカが立ち上がり、鍵を開けに行く。
マンションのエントランスから、エレベーターを使って部屋の前まではちょっと時間がかかる。チカはついでにトイレに行ったらしかった。
少しして、部屋のインターホンが鳴る。
すぐにガチャ、と扉が開く音がして、また閉まる音。
チカが箱を抱えて戻ってきた。
「持とうか?」
「大丈夫、そんな重くはない。」
箱を床に置き、カッターでガムテープを切る。
箱を開けると、瓶入りのオリーブオイルが3本、ジャムみたいな広口の瓶に入った、オリーブオイル漬けのオリーブ。ブラックとグリーンひとつずつ。そうめんとジップ付き袋に入った、大葉…
「…うわ…」
「何?」
「…そうめんとオリーブオイル送るけどなんかほかに欲しいものあるかって言うから…大葉欲しいなって言ったけど…こんなに要らない…」
「確かにな…」
「大葉ってさ、薬味には絶対欲しいんだけど、2、3枚でいいの。でも売ってるのって10枚単位じゃない。で、大半ダメにしちゃうんだよね…捨てる率考えたら割高なのよね。だから欲しいって言ったんだけど…薬味の量超えてるでしょ…」