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50センチの距離
第11章 ロイヤルミルクティー
「もし、当たって、砕けたら、俺が受け止めてやるよ。」

「…?」

「俺、野田さんのこと、ずっと可愛いなって思って見てた、から。だから、今日泣いてるのも見て気になったし、放っとけなかった。」

「……」

「受け皿でも、いいよ。」

「…でも…。」

「当たって砕けるのがイヤなら、別に無理にしなくてもいいし。なんなら俺と付き合ってみる?」

藤本くんは、初めて私の方を見て、ニコっと笑う。

優しい笑顔。

高塚さんとは、全然違う。柔和な顔立ち。

「憧れなら、忘れさせてあげられると思う。」

そう言って、そっ、と、私の肩を抱いた。

…高塚さんへの憧れを…忘れされてくれる…?

藤本くんと付き合ったとして、高塚さんを忘れられるか、未練がなくなるか、と言われたら、それは、よくわからない。
でも、独りでウジウジ悩んでたって忘れられるとは思えない。
だったら、藤本くんに手伝ってもらう、のは、別に悪いことではないんじゃないかな、なんて。考えた…



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