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50センチの距離
第12章 ティラミス
「サトミ。」

「昨夜はごめんねぇ〜」

「全くだ。もう勘弁してくれよ。…で、あの後どうしたんだ?」

「…えー?…もぅそれがさぁ…ケンカの後のエッチって最高だよねぇ…燃えたわぁ…」

思わずブフォッと噴き出してしまって、慌ててごほんと咳払いをする。

「…あのなサトミ。まだランチ営業中!昼間っから下ネタは止せ!」

「ごめぇん…だってどうしたんだって聞くからさぁ…それでね、お詫びにケーキ持ってきたの!」

えーと、話の流れからして、このサトミさんがエッチした相手は高塚さんではナイ、ってことだよね?あれ?彼女じゃないの?
でも彼女じゃないんですかなんて聞けなくて、私は黙々とオムライスを食べた。

「…ケーキな…俺は食わんけど…まぁ、いいか。店で少し仕入れたいと思ってたんだ。サトミのトコから下ろしてもらえるかな?本当に少しになるけど…」

「大丈夫だと思うけど…」

「じゃ、またその辺打ち合わせさせて。こっちが希望出してその量で行けるかとか見積貰えたりするかな?」

「おっけ。店長に言っとく。」

「宜しく。」

「じゃ、私休憩終わるから帰るね!」

「コーヒー飲んでかねぇの?」

「…んー、ショウさんのコーヒー飲んじゃうとオフモードに入っちゃうからまた仕事終わり来るよ!」

高塚さんは、そっか、と苦笑して、じゃあまたな、と手を振った。
サトミさんは大きく手を振り返して帰っていった。

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