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50センチの距離
第1章 オムライス
日替わりオムライスは、日によって味付けもソースも違うから、続けて食べても飽きない。
今日はオーソドックスなチキンライスに薄焼き卵、甘めのケチャップソースがかかった懐かしい味。

「美味しい!」

「どうも。」

「すぐ食べますので、片付けの準備してもらっていいですよ!」

「慌てなくていいよ。この後の予定は?」

「14時半に打ち合わせです。」

「場所は?」

「近くなんで、ここからなら10分くらいですかね。」

「ならココはちょっとくらい遅くなっても良いから。ゆっくり食べな。」

高塚さんは食器を拭き終え、カウンターの中から出て、トイレに入った。

ココ、トイレも綺麗なんだよね…

キレイに掃除されてて、やっぱり良い香りがする。
店内も、煙草の臭いはするけど、そんなに臭くない。

咥え煙草で仕事してたのに、私が高塚さんの目の前の席に座ると、自然に火を消してくれたらしく、お水を出してくれた時にはもう吸ってなかったし。
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