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50センチの距離
第12章 ティラミス
「…野田さん…?」

「いえ、何でもないんです!」

サトミさんが彼女じゃなかったってわかったところで、高塚さんに彼女がいないと決まったわけじゃないし、万が一恋人がいなかったとしたって、私みたいなコドモが恋愛対象になるわけがない。

それに昨日、藤本くんに付き合うって言っちゃったし…
昨日の今日で勘違いでした、やっぱり撤回させてくださいなんて言えない…

藤本くんは、同僚としては楽しい男のコだし、優しそうだし、付き合えば好きになれるかもしれないし。

「里見が持ってきたケーキ、食べない?俺あんまり甘いもの食べないから。」

「…いいんですか?」

「いいよ。ちょうどコーヒーも入ったし。」

オムライスの皿を下げながら、コーヒーとケーキの箱を出してくれる。

中には色んなケーキが入っていた。
シュークリーム、チョコレートケーキ、ベイクドチーズケーキ、ティラミス、ベリーのソースがかかったムース。

「…どれも美味しそう…悩むぅ〜…」

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