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50センチの距離
第12章 ティラミス
「へぇ〜…そんな意味があるんですね…でも確かに、美味しいもの食べるとテンション上がります。」
「だね。」
このティラミスも勿論美味しいけど、私にとっての“Tira mi su.”はきっと、高塚さんの料理であり、このお店そのものだ。
ここに来よう、て思えば仕事も頑張れるんだもん。
そんな場所がある、って凄く贅沢なことだよね。
「…あの、さ。野田さん。…ちょっと、相談なんだけど…」
「はい?何でしょう?」
「その、ケーキ、仕入れるのにね、この、里見が勤めてる店と打ち合わせするんだけどさ。サンプルっていうか、味見して、何を置くか決めたいんだよね。俺、甘いもの詳しくないから、モニターして貰えない、かな?土曜か日曜の、昼間、になると思うんだけど…もちろん、友達とか連れてきて貰ってもいいから。」
「…私で、いいんですか?」
「…野田さん、味覚鋭いし。俺よりきっと甘いものの目利きができると思うから…」
嬉しい相談。前の私なら、きっと舞い上がってた。
でも、舞い上がれば舞い上がるだけ、落ちた時のショックが大きい。だから、期待はしちゃいけない。
「わかりました。喜んで。…彼と一緒に来てもいいですか?」
「…彼…もちろん。彼も甘いもの好き?」
「多分。」
「じゃ、また日程、決められそうだったら、宜しく…」
少し、高塚さんの表情が曇った気がしたけど、気のせいだ、と受け流した。
「だね。」
このティラミスも勿論美味しいけど、私にとっての“Tira mi su.”はきっと、高塚さんの料理であり、このお店そのものだ。
ここに来よう、て思えば仕事も頑張れるんだもん。
そんな場所がある、って凄く贅沢なことだよね。
「…あの、さ。野田さん。…ちょっと、相談なんだけど…」
「はい?何でしょう?」
「その、ケーキ、仕入れるのにね、この、里見が勤めてる店と打ち合わせするんだけどさ。サンプルっていうか、味見して、何を置くか決めたいんだよね。俺、甘いもの詳しくないから、モニターして貰えない、かな?土曜か日曜の、昼間、になると思うんだけど…もちろん、友達とか連れてきて貰ってもいいから。」
「…私で、いいんですか?」
「…野田さん、味覚鋭いし。俺よりきっと甘いものの目利きができると思うから…」
嬉しい相談。前の私なら、きっと舞い上がってた。
でも、舞い上がれば舞い上がるだけ、落ちた時のショックが大きい。だから、期待はしちゃいけない。
「わかりました。喜んで。…彼と一緒に来てもいいですか?」
「…彼…もちろん。彼も甘いもの好き?」
「多分。」
「じゃ、また日程、決められそうだったら、宜しく…」
少し、高塚さんの表情が曇った気がしたけど、気のせいだ、と受け流した。