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50センチの距離
第13章 ブルスケッター Tasting of the cake ー
野田さんの口から彼という言葉が出て、一瞬固まってしまう。
あの、村上が来るんだろうか。
村上がオンナと一緒に店に来た事実を、俺の口から言っていいものか。それを言ってどうする?
あんな男止めて俺にしとけとでも言うのか?
まさか。
そんなこと出来るわけない。
だったら、余計な口出しはしないに限る。
俺と野田さんは、ただの喫茶店のオヤジと、お客さん、なんだから…
でも。
それでも、俺の料理を食べたり、酒を呑んだりして、美味しいと笑う彼女の笑顔をこうやって見るくらい、許される、よな…
コーヒーとケーキを食べ終えた野田さんを見送る。
その夜、里見に連絡して、デザートになりそうなケーキをいくつか、土曜日か日曜日の昼間に持ってきて貰えるか確認する。
里見の方でも店長に話をつけてくれたようで、快諾の返事をもらった。
翌日、ランチに来てくれた野田さんに、今週の土曜日か日曜日、ケーキの試食をしてくれないかとお願いすると、彼の予定も確認してどちらか連絡する、と言ってくれた。
連絡先を交換した方がいいか、と思いながら、俺からそれを切り出すこともできなくて、野田さんはそのまま帰った。
あの、村上が来るんだろうか。
村上がオンナと一緒に店に来た事実を、俺の口から言っていいものか。それを言ってどうする?
あんな男止めて俺にしとけとでも言うのか?
まさか。
そんなこと出来るわけない。
だったら、余計な口出しはしないに限る。
俺と野田さんは、ただの喫茶店のオヤジと、お客さん、なんだから…
でも。
それでも、俺の料理を食べたり、酒を呑んだりして、美味しいと笑う彼女の笑顔をこうやって見るくらい、許される、よな…
コーヒーとケーキを食べ終えた野田さんを見送る。
その夜、里見に連絡して、デザートになりそうなケーキをいくつか、土曜日か日曜日の昼間に持ってきて貰えるか確認する。
里見の方でも店長に話をつけてくれたようで、快諾の返事をもらった。
翌日、ランチに来てくれた野田さんに、今週の土曜日か日曜日、ケーキの試食をしてくれないかとお願いすると、彼の予定も確認してどちらか連絡する、と言ってくれた。
連絡先を交換した方がいいか、と思いながら、俺からそれを切り出すこともできなくて、野田さんはそのまま帰った。