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50センチの距離
第13章 ブルスケッター Tasting of the cake ー
12時5分前、ブラインドも下ろして、入口のプレートもcloseにしてあったけど、鍵だけは開けてて。
恐る恐る、という感じでドアが開く。
ドアベルもチリリ、と控えめに鳴っただけだった。

「いらっしゃい。休みの日にわざわざゴメンね。」

「良かった。開いてなかったらどうしようかと思いました。」

「ゴメン、前もって言っときゃ良かったね。うっかりしてた。openにしてると他の人が入ってきちゃうかな、と思って。」

「ですよね。」

野田さんの後ろから、この間紹介された男が入ってきて、ぺこりと頭を下げた。

「今日はよろしく。間に挟む軽食、腹が張るのも味が濃いのもマズイかなーと思って。いくつかブルスケッタ作ってるんだけど。終わってから物足りなければまたなんか作る、感じでいいかな?」

「はい。大丈夫です!…よね?」

返事したあと、男の方を振り向いて確認する。男も釣られて、うん、と頷いたがほぼ勢いに押されてだろうな…
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