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50センチの距離
第14章 ショコラ オランジュ
「ゴメン!」

気まずそうに身体を離す藤本くん。

「…うぅん…なんか、私こそ…」

「…今日は無理っぽいかな…俺、帰るね…」

ポツリと呟いて、服を戻し始める藤本くん。

「あの…」

「千束ちゃんのせいじゃない…またね…」

ベッドの上で、裸のまま、毛布を手繰り寄せて身体を隠す。

そんな格好のまま見送ることも出来ず、藤本くんはさっさと服を着終えると、じゃ、と手を挙げて帰って行った…

ひとり残された私は、ベッドの上で溜息をついた…

なんで受け入れられないのかなんて私にも解らない。
だけど、私のせいじゃない、とも思う。
いや、原因は私なんだろうけど、私の意思ではないっていうか…

だってさ、指と男のヒトのアレじゃ明らかに大きさが違うじゃん!指が入りゃOKみたいな感じでこられても困るっつーの。
藤本くんが帰ってしまうと、申し訳無さよりもイライラが強くなってきた。
あぁー!なんか甘いもの食べたい!
つか高塚さんの料理が食べたい!今日のカフェゴハンもなんかよくわかんなかった!
時計を確認する。
夜10時…

今から支度してもオンブラージュまでは30分じゃ行けない…
はぁぁ…
明日は!絶っっ対に1人でランチに行こう‼︎



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