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50センチの距離
第14章 ショコラ オランジュ
出してくれたハーフ&ハーフのランチ。餡掛け焼きそばから頂く。
パリパリの焼きそばにとろっとろの五目餡が絡んで美味しい。
ペロッと平らげた。
カレーソースのオムライスは少しスパイシーなカレーとふわふわ半熟卵にバターライス。これも絶品。

「今日は食後のコーヒーもお願いします。」

のんびり食べてるうちに一時を過ぎて、お客さんは少しずつ減っていく。

「まだ時間大丈夫?」

「大丈夫です!」

他のお客さんが切れたのを見計らうように、高塚さんが小さなお皿に置いたチョコを出してくれた。

「こないだ里見が持ってきてくれたんだ。シーズンモノの、ショコラオランジュ。オレンジピールのチョコレート掛け? コーヒーのお供にどうぞ。」

「イイんですか⁉︎」

「野田さん甘いもん好きでしょう。」

「大好き!」

コーヒーをひと口飲んで、ショコラオランジュを一本囓る。
ビターチョコレートの甘みと、苦味、オレンジピールの爽やかな甘みと、ほろ苦さ。どっちも甘みと苦味があるんだけど、それぞれの風味が喧嘩せずに見事にマッチしてる…
コーヒーだけでも勿論香り高くて美味しいんだけど…ショコラオランジュを合わせると優雅なティータイムみたいな気がする程にレベルアップした。

「元気そうで良かった。…最近、ココ来ても元気なさそうだったから、ちょっと心配してたんだ。」

「え?」

「あ!あぁ、ゴメン、なんか、心配なんておこがましいな…ちょっと、前と違う雰囲気だな、と思っただけなんだけど」

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