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50センチの距離
第14章 ショコラ オランジュ
お手洗いを出てレジでお会計を済ませる。
高塚さんが、小さな袋を渡してくれた。
「残りのショコラオランジュ、持って帰って。俺はもう食ったし。野田さん、一本しか食べてないから。仕事の合間の息抜きにしな。箱に入ってるから暖房ガンガンのとこじゃなきゃ溶けないとは思うけど。出来たら冷蔵庫保管で。」
「いいんですか…? ありがとうございます!大事に食べます!」
「午後からも仕事頑張って!行ってらっしゃい!」
「はい!」
高塚さんの優しさを噛み締めながら、私は打ち合わせ先に向かった。
そして、夜。
いつもはインスタントコーヒーだけど、やっぱドリップコーヒーかな…と、コンビニで珈琲店のドリップコーヒー、というちょっとお高いヤツを買ってみる。
ウチに帰って、貰ったショコラオランジュを摘みながらコーヒーを飲んだ。
藤本くんから着信。
確信犯の、居留守。
2〜30分してから、ゴメン、お風呂はいってた、とウソのSNSメッセージを送る。
藤本くんとの付き合いを続けるのは、きっと無理だ。
藤本くんにはきっと、もっと可愛い、いいコが居るハズ。
そして私は、やっぱり高塚さんが好き。
片想いでもいい。それを諦めるために他の人と付き合ったりするのはやめよう。堂々と、高塚さんに片想いしていよう。
例えそれが、実を結ばなくても。
他の人を好きになることは出来ない…
高塚さんが、小さな袋を渡してくれた。
「残りのショコラオランジュ、持って帰って。俺はもう食ったし。野田さん、一本しか食べてないから。仕事の合間の息抜きにしな。箱に入ってるから暖房ガンガンのとこじゃなきゃ溶けないとは思うけど。出来たら冷蔵庫保管で。」
「いいんですか…? ありがとうございます!大事に食べます!」
「午後からも仕事頑張って!行ってらっしゃい!」
「はい!」
高塚さんの優しさを噛み締めながら、私は打ち合わせ先に向かった。
そして、夜。
いつもはインスタントコーヒーだけど、やっぱドリップコーヒーかな…と、コンビニで珈琲店のドリップコーヒー、というちょっとお高いヤツを買ってみる。
ウチに帰って、貰ったショコラオランジュを摘みながらコーヒーを飲んだ。
藤本くんから着信。
確信犯の、居留守。
2〜30分してから、ゴメン、お風呂はいってた、とウソのSNSメッセージを送る。
藤本くんとの付き合いを続けるのは、きっと無理だ。
藤本くんにはきっと、もっと可愛い、いいコが居るハズ。
そして私は、やっぱり高塚さんが好き。
片想いでもいい。それを諦めるために他の人と付き合ったりするのはやめよう。堂々と、高塚さんに片想いしていよう。
例えそれが、実を結ばなくても。
他の人を好きになることは出来ない…