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50センチの距離
第15章 フローズン・マルガリータ Le bar ombrage
「私ね、恋愛映画より、アクションとかコメディが好き。ご飯もお洒落なカフェじゃなくていい。定食とかラーメンで充分なの。藤本くんは、一般的な女のコが好みそうなところを頑張ってセレクトしてくれる。だけど、私自身にどんなとこに行きたいかとか、あんまり聞いてくれないよね。本当に私のこと好きなのかなぁって疑問に思ってた…」
「そんな…それじゃあっ…」
藤本くんが何か言いかけたところを私は言葉を被せて制す。
「でもね。それは私もどうしてほしいかってきちんと伝えなかったから。藤本くんを責めるつもりはないの。…やっぱり一番は…片想いの人を諦めきれないの。藤本くんと居ても、今隣にいるのが彼だったら…とかそんなこと考えちゃう私がいて。そんな自分も嫌い。彼のこと考えながら、藤本くんに申し訳ないって思うのも疲れた。どっちかを諦めようって思った時、どうしても捨てられないのは片想いの方なの。堂々と彼のことを考えるために、藤本くんとは離れなきゃいけないの。…勝手なこと言ってるってわかってる。だけど…どうしようもないの…」
「そんな…それじゃあっ…」
藤本くんが何か言いかけたところを私は言葉を被せて制す。
「でもね。それは私もどうしてほしいかってきちんと伝えなかったから。藤本くんを責めるつもりはないの。…やっぱり一番は…片想いの人を諦めきれないの。藤本くんと居ても、今隣にいるのが彼だったら…とかそんなこと考えちゃう私がいて。そんな自分も嫌い。彼のこと考えながら、藤本くんに申し訳ないって思うのも疲れた。どっちかを諦めようって思った時、どうしても捨てられないのは片想いの方なの。堂々と彼のことを考えるために、藤本くんとは離れなきゃいけないの。…勝手なこと言ってるってわかってる。だけど…どうしようもないの…」