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SMを詰め込んだ短編集
第8章 僕のカナリヤ/SM
「冷えちゃったね。あっためてあげる」
「うん…」
恥ずかしがり屋だからかな。こうやって何も言わなくても腕を回すことを覚えるまで鈴は何度血を流したことだろう。物覚えがあまりよくないのかな。
─昔に見た、かわいい蓮さんはどこへ行ってしまったの
前にそんなことを泣きながら言っていたっけ。
どこかへ行ってしまったのかもしれないし、最初からいなかったのかもしれない。僕もわからない。
「キスしよ」
おでこを合わせると、一度目を伏せて、それから夢のように柔らかい唇を合わせてくる。かわいらしい仕草にすぐにでもその体を欲した。
可愛らしい唇を食んでいると少しずつ息が上がってくる。口ではどれだけ嫌がっていたって体は非常に素直だ。僕から言わせてもらえば、昔に見た素直な鈴はどこへ行ったの。
名残惜しくも唇を離すと、上気した頬の鈴がうっとりと目を開けた。
「すごくきれい…鈴、足を見せて」
女性が足を見せるなんてはしたないことできませんと憤って僕に怖い顔を見せていた頃が懐かしく思えるほど、細い指で着物の裾をゆっくりと開いて見せた。着物の上から拘束していたとはいえ、案の定縄の痕がくっきり残っている。
そっと指先で縄の痕をなぞって、それから静かに持ち上げて唇を落とす。くすぐったいのかもぞもぞと足を動かすが、嫌がってはいないようだった。
足首に付いた痕をじっくり舌で舐め上げ、脹脛から膝の裏に舌を這わせる。鈴の足首は僕の頭の上くらいまで持ち上げたから、着物の中が良く見えた。
「蓮さん、恥ずかしい…」
「どうして。ああ、これね。とってもよく似合ってるよ」
捲れ上がった着物の奥。下着の代わりに股縄を施しておいた。今日の出来はとても良くて、飾りに作った結び目が丁度鈴の一番敏感な突起の真上に来ているようだ。