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SMを詰め込んだ短編集
第8章 僕のカナリヤ/SM

「上手になったと思わない?この結び目の位置、最高の出来栄えだと思うんだ。鈴も気持ちよかったでしょ?」

結び目を指で軽くとんとんと叩いてやると、ぴくぴくと足を跳ねさせるのがなんとも言えずかわいらしい。

「ここ、ちょっときつすぎたかもね。こっちも舐めてあげなきゃ」
「あっ…蓮、さん…!」

太ももの拘束は少しきつくして置いた。足を擦り合わせて自分で快楽を得られなくするために。鈴に与えるものは全て僕からでなくては。だから僕がいないときは目隠しをするし、僕以外との会話も必要ないから豆絞りで口を塞ぐ。僕以外見なくていい。僕以外と会話をしなくていい。そうはいってもここは座敷牢なのだから、僕以外訪れる人なんていなんだけど。それでも心配なんだ。もしもこの座敷牢から鈴の声が漏れて近所の人が開けに来たら?

考えただけで腸が煮えくり返る。

くっきりと痕が付いたすべすべの太ももに指を滑らせる。吸い付くような肌が気持ちいい。そのまま顔を近付けてちゅ、と吸い付いた。

「ふあ、あっ」
「すっごく良い匂い。鈴のにおいって僕大好きだよ。それに…いやらしいにおいもするね?」
「や、や…」

鈴の拒絶の言葉は反対言葉。僕は良く知ってる。鈴のことならなんでも知ってる。
証拠に僕の髪を指に通し、かわいい声を上げて頬をリンゴみたいに真っ赤にさせている。
締め上げた足の間は蜜を滴らせ、着物の中はいやらしい匂いで充満していた。

「縛られるの好きだよね、鈴?」
「うん…」

少し躊躇ってから控えめに頷いた小さな頭を撫でてやる。うっとりと目を閉じて、小さく息を吐いた。
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