この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
SMを詰め込んだ短編集
第9章 アリスと女王/奴隷(+純愛)
「僕は蓮。きみは?」
「あ、り、鈴…」
「そう。きれいな名前だね」
美しい動作。彫刻のように整った顔立ち。真夏の空を丸ごと閉じ込めたような真っ青な目。ふわりと微かに甘い匂いを漂わせ、目を細めて微笑んで見せた蓮と名乗る青年に、鈴の心臓はどくどくと脈打ちます。男性に対して美しいと思ったことは初めてでした。
「随分と派手に遊んでいたようだね」
「あっ…」
口元に指を当ててクスクスと笑われて、泥だらけになったワンピースを思い出しました。恥ずかしくていっそ消えたいほどでした。
「こっちへおいで。着替えを用意してあげよう」
王子様がお姫様の手をとるように極自然に右手を取られ、そうと思えばふわりと抱えられて、気がつけば体は空の上。
「えっ!えっ…!?」
「ちゃんと僕に掴まって。落ちちゃったら大変だよ」
びゅうびゅうと風を切って、内蔵が浮き上がるような何とも言えない浮遊感に絶叫しながら必死に蓮にしがみつきました。
「あ、り、鈴…」
「そう。きれいな名前だね」
美しい動作。彫刻のように整った顔立ち。真夏の空を丸ごと閉じ込めたような真っ青な目。ふわりと微かに甘い匂いを漂わせ、目を細めて微笑んで見せた蓮と名乗る青年に、鈴の心臓はどくどくと脈打ちます。男性に対して美しいと思ったことは初めてでした。
「随分と派手に遊んでいたようだね」
「あっ…」
口元に指を当ててクスクスと笑われて、泥だらけになったワンピースを思い出しました。恥ずかしくていっそ消えたいほどでした。
「こっちへおいで。着替えを用意してあげよう」
王子様がお姫様の手をとるように極自然に右手を取られ、そうと思えばふわりと抱えられて、気がつけば体は空の上。
「えっ!えっ…!?」
「ちゃんと僕に掴まって。落ちちゃったら大変だよ」
びゅうびゅうと風を切って、内蔵が浮き上がるような何とも言えない浮遊感に絶叫しながら必死に蓮にしがみつきました。