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SMを詰め込んだ短編集
第9章 アリスと女王/奴隷(+純愛)
「…ええぇぇ!!??」
「しー。大きな声出しちゃだめだよ」
人差し指で唇を塞がれ、必死にこくこくと頷きますが、それでも鈴の心臓は鎮まってくれそうにありません。
キスをされた──
もう頭の中はパニックです。
「あああの!れ、蓮!あたしっ…」
「しー。…鈴。これ以上、この話はナシ。ね?」
「え、どうして…」
蓮の目ははっきりと拒絶を示していました。だから、鈴は口を結ぶしかありませんでした。
地下通路はふたりの足音だけが響きます。
その音がピタリとやんだのは、小さな扉の前に来た時でした。
「いい?これからハートの女王のところへ行くよ。何を言われても、答えは全部“NO”だ。わかったね?」
「うん…?」
「ひとつでも“YES”と答えれば、鈴はここから一生出られなくなる。それでいいなら僕はなにも言わないけど…」
「え、帰り…たい、けど…」
帰る。元の世界に…
そうなれば、蓮には一生会えなくなる。
だからさっきの話を中断したんだ──
鈴の心が一瞬揺れたのを、蓮は見逃しませんでした。
「鈴。きみは元の場所へ帰るべきだよ。…大丈夫。僕たちは愛し合ってる。きっとまた会えるよ」
「え、愛し合って…」
「ふふっ…恋する女の子の目って、本当にかわいいよね」
「やっ…なんでわかったの…」
「あれ?違った?」
意地悪く細められて、でも悲し気に揺れる蓮の目に、鈴は泣きそうでした。
「しー。大きな声出しちゃだめだよ」
人差し指で唇を塞がれ、必死にこくこくと頷きますが、それでも鈴の心臓は鎮まってくれそうにありません。
キスをされた──
もう頭の中はパニックです。
「あああの!れ、蓮!あたしっ…」
「しー。…鈴。これ以上、この話はナシ。ね?」
「え、どうして…」
蓮の目ははっきりと拒絶を示していました。だから、鈴は口を結ぶしかありませんでした。
地下通路はふたりの足音だけが響きます。
その音がピタリとやんだのは、小さな扉の前に来た時でした。
「いい?これからハートの女王のところへ行くよ。何を言われても、答えは全部“NO”だ。わかったね?」
「うん…?」
「ひとつでも“YES”と答えれば、鈴はここから一生出られなくなる。それでいいなら僕はなにも言わないけど…」
「え、帰り…たい、けど…」
帰る。元の世界に…
そうなれば、蓮には一生会えなくなる。
だからさっきの話を中断したんだ──
鈴の心が一瞬揺れたのを、蓮は見逃しませんでした。
「鈴。きみは元の場所へ帰るべきだよ。…大丈夫。僕たちは愛し合ってる。きっとまた会えるよ」
「え、愛し合って…」
「ふふっ…恋する女の子の目って、本当にかわいいよね」
「やっ…なんでわかったの…」
「あれ?違った?」
意地悪く細められて、でも悲し気に揺れる蓮の目に、鈴は泣きそうでした。