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SMを詰め込んだ短編集
第15章 SNS/SM
「このメーカー好きって言ったのりんだろ。俺も同じの買っちゃったんだよね」
「なんの話かな…あたしは沙良だよ。りんって誰?」
心臓が口から出そうだ。カマかけてるんだ、よね、きっと。だってあたしは馬鹿じゃない。顔は絶対に写さなかったし、私物を写さないためにわざと暗い部屋で写真を撮ってた。最悪、声であたしだってバレる可能性があったから動画は全部gifに加工した。
裏垢だし、それっぽい人を見つけてカマかけてるだけだ。多分、きっと…。
冷や汗で制服のワイシャツがびっしょりになってる。成瀬京也は笑った。
「りんは嘘が下手だね。」
そうして自分の喉元を指でとんとんと叩いてみせた。
「昨日のDM、既読マーク付いたから見たと思ったんだけどなあ。…最初はさ、ただかわいいなーと思ってただけなんだけどね。自慢する気はないけど、俺結構モテるんだ。かわいいだけなら他にいくらでもいる。だけど、りんは違ったんだよね」
ここ。そう言って成瀬京也は、とんとんと叩く指を静かに降下させていった。そして鎖骨辺りで指をぴたりと止める。今度こそ、あたしは膝をついた。

あたしの鎖骨あたりには、縦にふたつ、ホクロが並んでる。

「毎日必死にいい子を演じちゃって。心底かわいいと思ったよ。哀れで滑稽で、かわいそうな子って。あと、生田沙良が成瀬京也の事毛嫌いしてるのに、りんはレンにしっぽ振ってる。滑稽すぎて笑えてくるくらいだよ」
心臓が壊れてしまったかのように、バクバクと音を立てる。
まさか、そんな、まさか…
「はじめまして、りん。俺がレンだよ」
いつものあたしなら、何バカなこと言ってるのよーなんて茶化して濁すのに。呼吸すら忘れたあたしに、“レン”は勝ち誇った顔で一歩進む。あたしにはもう、退路はない。
「生田沙良が成瀬京也のこと毛嫌いしてるのは、十中八九、同族嫌悪ってやつだよ。爽やかイケメンの演技も楽じゃない。分かるだろ」
頭痛がひどい。目の前がぐらぐら揺れる。あたしは今、立ってる?座ってる?
そんなあたしをみて、成瀬京也は鈍く笑った。
「かわいいよね、本当。ちょっと褒めれば犬みたいに喜んじゃってさ。最初はただ面白がってただけなんだけど。愛着っていうのかな。愛おしくなってきて、もうりんの画像じゃなきゃ抜けなくなっちゃったよ。キスして抱きしめて、べたべたに甘やかしてやりたくなるよ」
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