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SMを詰め込んだ短編集
第16章 私のかわいい双子たち/SM
「…あーあ、どろどろじゃん」
「はー…さすがに僕も疲れたよ」
酸素を欲しがる金魚みたいに口をぱくぱくさせながら、あたしはぼんやりと天井を見上げていた。圧倒的に酸素が足りなくて苦しい。全身から汗が噴き出して気持ち悪い。
もう何回叩かれたか分からない。あつい。あつい。きもちいい。たまらないんだ、この余韻。びりびり痺れて、手で掻き毟りたい位むずむずして、足りない。タリナイ。
「鈴、何回イった?」
「イったらお仕置きって言ったのに、鈴ちゃん何回もイっちゃうんだもん。これじゃあお仕置きにならないね」
「お前が絶頂管理したいって言ったんだろ。全然管理できてねーじゃん」
「勝手にイっちゃう鈴ちゃんが悪いと思わない?」
「いや、管理できてないお前が悪いね」
慈愛に満ちた手であたしの頭を交互に撫でながら交わされる言葉。不釣り合い?いいや、いつものこと。あたしがどうなっていようとこの双子には関係がないんだ。
荒い息を繰り返すせいで喉がカラカラになり咳き込むと、蓮音が気が付いて机の上に置いてあったミネラルウォーターを口に含ませてくれた。
「足りねぇだろ。起こしてやるからちゃんと飲め」
「おまんこ冷やそうね。僕氷を持ってきてあげる」
そんな気を遣うくらいなら最初からしなければいいのに。
……最初はそんなふうに思ってたよ。最初は。
今はこの優しさが嬉しくて、阿保ほどモテるこの双子があたしだけを見てくれているのが嬉しくて、思わず笑ってしまうんだ。
言った通りに蓮音が背もたれ替わりになってくれて、力の入らないあたしの代わりにペットボトルを傾けてくれる。紫音は急いでキッチンに行き、氷を数個、ガラスコップに入れて持ってきた。
「鈴ちゃん、そのままお水飲んでていいよ。僕が冷やしてあげるからね」
にこにこと懐っこい笑みを湛えてあたしの足の間に体を滑り込ませ、膝を抱える紫音。後ろからペットボトルを傾け、水を流し込む量を調節する蓮音。
…これは優しさではなく、あたしの新たな快楽のためだと分かっているのに、抗えない。抗おうとも思わない。