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SMを詰め込んだ短編集
第17章 昔の男に貰った指輪してたら勿論彼に怒られた件!/SM
恭介さんも何も言わなかった。ただ、その目から怒りの色は褪せていない。
沈黙は刹那。は、と乾いた笑いが彼の口角を僅かに上げる。
「昔の男の指輪を嵌めて、どの口が言う」
「きょうっや!」
足の間に割り込んだ彼の膝が、ぐっと押し上げられた。フレアスカートの中を弄る膝は、手加減なくぐりぐりと割り込んでくる。足を閉じようにも、あたしの力でなんか到底敵わなかった。
「恭介さんっやめっ…」
「優菜。お前が誰のものかもう一度考えろ」
断続的に押し上げられる膝に、思わず逞しい肩にしがみ付く。
いつも与えてもらっている甘美で幸せな感情とは全く別のものだというのに。彼から与えてもらっているというだけで、あたしのさもしい心は、ずくずくと歓喜の色が滲みはじめてしまった。
勿論、見逃してくれる彼ではなかった。鼻で笑って、それから下着の下でこっそり主張し出す胸の先を、厚い布の上からぎゅっと摘まみ上げた。
「ひあっ!」
「何をされているのか分かっているのか?」
「いっ痛いですっやめて!」
普段の恭介さんは、どれだけあたしに気を遣ってくれているのかを知った。
力加減を忘れた人差し指と親指は、下着の上だというのに的確にそこを摘まみ上げ、ぐいぐいと引き上げる。痛覚の多いそこは、じくじくと熱をもってしっかり芯を通し始めた。

ふっと影が落ち、都会の陽が完全に沈んだことを報せる。暗い玄関には、あたしと恭介さんの呼吸の音だけが響く。胸の先を引き上げられるせいで爪先立ったあたしに、彼の膝は嬉々として押し上げた。足の長い彼の膝は、あたしを追い詰めることに何の苦労もしなかった。
「お前は誰のものだ?」
「きょっんん!」
答えようとした口は、すぐさま塞がれる。何の躊躇いもなく絡め取られた舌は、答えを言わせてくれなかった。喉の奥で一生懸命それっぽい発音をしてみるものの、そんなものは勿論取り扱ってくれない。やがて聞こえ始める水音は、唇の隙間からではないことを彼に悟られてしまった。
「犯されて感じているのか」
「ちがっ!」
「それとも、昔の男を思い出したか?」
「そんなことっ…」
「昔の男はどうやってお前を抱いた?」
元々切れ長で美しい彼の目が、更に細く鋭くなる。彼の耳にちらと光るピアスよりもずっと鋭利で、背中が凍えるほどに怒りの炎を灯した目は、あたしの目の奥を射抜いた。
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