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SMを詰め込んだ短編集
第17章 昔の男に貰った指輪してたら勿論彼に怒られた件!/SM
「恭介さん…ごめんなさい…」
こんなにも彼の怒りを買うなど微塵も思っていなかった。あたしは素直に謝った。のに。
「謝罪などいらない。答えはどうだ?例えば、こんなふうに乱暴にされたか?」
「ひあっ!」
ぱん、と乾いた音が響く。今しがた膝を押し付けられていた部分に、大きな手のひらが張った。
熱を伴ってじくじくと痺れるような感覚に、あたしは彼の肩に掴まって爪先立つ。
痛みはほとんどなかった。それよりもその音に驚いて、そんなところをそんな風にされるなんて夢にも思っていなくて、体よりも先に、心がびくびくと震える。膝が震えて、目の前の黒いジャケットに掴まるだけでも精一杯だった。どくどくと心臓が音を立てて、狭い玄関ホールにさえ響いてしまいそうだった。
恭介さんはそんなあたしを見て笑ったのか、それとも自嘲したのか、口元を緩く三日月にして、低い声を発する。
「それとも、どろどろに甘やかしてもらったか?」
機嫌の悪い唇は、汗ばんだ首筋を這った。肌の質を余すところなく確かめるように、じっくり丁寧に這って行く熱い舌は、時々印みたいに痕を残す。同時に、さっき乱暴にしたとは思えないほど慈しみを持つ手が、そろりと腰を撫で上げた。慰めるみたいにして撫でながら徐々に上昇していき、抗う間もなく下着の金具を外す。
そうして柔らかく、やさしい手つきで背中から胸に這っていき、形を確かめるようにそっと包み込んだ。
「あっ恭介さんっ…」
いつもみたいに、やさしく、甘く。大きな手にあたしの胸は少し物足りないみたいだけど、それでも大切なものを愛でるように、やさしく甘やかす。
そうかと思っていたのに、全く無防備になった頂を、突然ぎゅむりと摘まみ上げた。
「ひぁぁっ!」
「答えろ、優菜」
じくじくと痛みを伴うそこは、男らしく荒々しい指の先でぐりぐりと捏ねられる。やっぱり爪先立って喉を反らすことしかできなくて、質のいいジャケットにしがみ付く手に力が入った。
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