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SMを詰め込んだ短編集
第17章 昔の男に貰った指輪してたら勿論彼に怒られた件!/SM
信じられなくて下を覗き込む。あたしの視界には、くしゃくしゃに丸まったシャツと、黒いジャケットしか映らなかった。しかし確かに感じる彼の熱に、あたしは必死で抵抗した。
「やっうそ!こんなところでっ…!」
「優菜」
低い声色だった。
呼ばれたから顔を上げると、呼吸を忘れた。
怒りに満ちた目の奥の、ほんの僅かなところ。悲しい色がちらと見えた。
「恭介、さっぃあああっ!!」
じっくりと窺う暇なく、下から勢いよく突き刺されたそれに、あたしは壁に背中を押し付ける。これ以上仰け反ることはできないのに、それでも苦しいくらいの質量から反射的に逃れようと腰を捩った。
「今、お前の中に誰の何が入っているのか考えろ」
いつもどれだけ気遣ってくれているのか、どれだけ思っていてくれているのかを、身をもって知った。
体が持ち上がるくらいの激しい律動に、壁と逞しい体に挟まれて身動きが取れない苦しさに、暗い玄関で歪められた、切れ長の美しい目に。腹の奥から沸き起こる罪悪感に、今更ながら涙が零れた。彼をひどく怒らせてしまったことよりも、悲しませてしまったことのほうが苦しかった。
「ごめっなさっごめんなさっ恭介さんっ…!」
背の高い彼の首にしがみ付き、一生懸命謝った。久しぶりに会った恋人に、こんな顔をさせてしまったのが申し訳なかった。
足を絡め、狂ったようにごめんなさいと繰り返す。激しい律動は少し角度を変えて、キスの雨が降ってきた。
「…焦らせるなよ」
唐突に紡がれた、予想外のことば。しかし考える隙も無いほどに腰をぶつけられて、あたしは意味のある言葉を発することができなかった。
大切なものを抱えるみたいにして頭を抱かれたから、目の前にある広い胸にしがみつく。思えば彼は、ボタンのひとつすら外していなかった。喉元まできっちりネクタイを巻いた恭介さんは、開けたあたしの肌を指の腹で撫でた。
「ごめんなさいっきょ、すけっさ、ごめんなさっ…!」
ごちゅごちゅと激しい水の音。泣き声みたいなあたしの声が狭い玄関に木霊して、慌てて口元を目の前のスーツに沈める。玄関扉を一枚隔てただけの住宅街で、こんな恥ずかしい声が漏れたら大変だ。明日から明るいうちに外へ出られなくなってしまう。
必死に声を噛み、艶めく長い髪の毛ごと首にしがみ付いて足を巻き付ける。ふと笑った気配がした。
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