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SMを詰め込んだ短編集
第5章 ようこそ奴隷パーティへ!/SM・奴隷
おとぎ話に出てきそうな洋館に車を滑らせ、ドアボーイが恭しく頭を垂れた。
車から降りるだけの動作でさえ優雅な蓮様に続き、私も降りる。ドアボーイの視線が刺さるようだった。なにかいけないことをしたのだろうか。
車はそのまま来た道を返す。運転手は何故か申し訳なさそうに私に一礼した。
「ああこれは!蓮様ではございませんか!どうぞようこそいらっしゃいましたこちらへ!!さあさあこちらへどうぞ!!」
ピエロが踊りながら蓮様の手を取って洋館の中へと半ば引きずるようにエスコートした。私も慌てて着いていくと、扉の前でふと立ち止まった蓮様に肩を抱かれた。
「いいかい鈴。これからここで起こること、見るもの聞くもの全て他言無用だ。いいね?絶対に守るんだよ」
「…?はい、蓮様」
「それから僕の傍を絶対に離れないように」
「かしこまりました。鈴は常に蓮様のお傍におります」
「そうじゃない。1センチだって離れてはいけないよ。分かったね?」
「はい。承知致しました。」
これから何が起こるのか全く分からなかったけど、蓮様のお言葉は絶対。横で会話を聞いていたピエロが不気味に笑っていた。
凶暴なトラでも入っているのかと身構えてしまうほどの頑丈なカギを外し、重たく軋む扉が開かれた。
中は薄暗くて見えない。
「行こう」
「はい」
腰に回された蓮様の暖かくて大きな手。まるで私のほうがエスコートされているようでちょっと恥ずかしかった。背中でピエロがどうぞ最後までお楽しみくださいと歌っていた。
大袈裟な音を立てて扉が開かれ、すぐさま鍵を閉められる音。耳を劈くその音にびくりと肩を震わせると、蓮様は笑って抱く腕の力を強めてくれた。こういう優しさにまた胸が高鳴る。
扉がしまったことで何とも言い難い、むっとする匂いと空気が体に纏わりついた。洋館に響き渡るほど低いうめき声があちこちから聞こえる。本当に猛獣でもいるのかしら…。恐怖を覚えて蓮様の腕にしがみ付くという情けない次第だ。
車から降りるだけの動作でさえ優雅な蓮様に続き、私も降りる。ドアボーイの視線が刺さるようだった。なにかいけないことをしたのだろうか。
車はそのまま来た道を返す。運転手は何故か申し訳なさそうに私に一礼した。
「ああこれは!蓮様ではございませんか!どうぞようこそいらっしゃいましたこちらへ!!さあさあこちらへどうぞ!!」
ピエロが踊りながら蓮様の手を取って洋館の中へと半ば引きずるようにエスコートした。私も慌てて着いていくと、扉の前でふと立ち止まった蓮様に肩を抱かれた。
「いいかい鈴。これからここで起こること、見るもの聞くもの全て他言無用だ。いいね?絶対に守るんだよ」
「…?はい、蓮様」
「それから僕の傍を絶対に離れないように」
「かしこまりました。鈴は常に蓮様のお傍におります」
「そうじゃない。1センチだって離れてはいけないよ。分かったね?」
「はい。承知致しました。」
これから何が起こるのか全く分からなかったけど、蓮様のお言葉は絶対。横で会話を聞いていたピエロが不気味に笑っていた。
凶暴なトラでも入っているのかと身構えてしまうほどの頑丈なカギを外し、重たく軋む扉が開かれた。
中は薄暗くて見えない。
「行こう」
「はい」
腰に回された蓮様の暖かくて大きな手。まるで私のほうがエスコートされているようでちょっと恥ずかしかった。背中でピエロがどうぞ最後までお楽しみくださいと歌っていた。
大袈裟な音を立てて扉が開かれ、すぐさま鍵を閉められる音。耳を劈くその音にびくりと肩を震わせると、蓮様は笑って抱く腕の力を強めてくれた。こういう優しさにまた胸が高鳴る。
扉がしまったことで何とも言い難い、むっとする匂いと空気が体に纏わりついた。洋館に響き渡るほど低いうめき声があちこちから聞こえる。本当に猛獣でもいるのかしら…。恐怖を覚えて蓮様の腕にしがみ付くという情けない次第だ。